鍼ってコワイ?
「鍼ってコワイ~」
鍼灸師です、と言うと、ほとんどの方の反応がこれ。
なので、コワイと思う理由を訊きます。
「注射、コワイし」
「刺すんやろ、こわいし」
「痛そうやん~」
これらが、まあ、いちばん多い。
「めっちゃ、痛いって聞いた」
「鍼したあとに具合が悪くなったとか聞いたことがある」
ときどき、こういうのも聞きます。
前者の、注射や刺すという言葉のイメージからの怖さは、鍼灸をまったく知らないことから来る怖さ。
後者は、身近に鍼灸を受けた人がいるか、単なる聞きかじりかのどちらか。
こういったイメージを持たれることは、鍼灸師としては心外ですが、けど、これ、どっちも鍼灸師の責任でもあるのです。
つまり、
- 鍼灸がどういうものかを、きちんと伝えていない。
- 痛い鍼を打つ鍼灸師もいる。
- 未熟さから、刺激量を誤り、具合を悪くさせることがある。
ということなんですね。
ふだん、ずっと、鍼灸の世界にいると、その中の「あたりまえ」が世の中でも「あたりまえ」だと思ってしまいます。
(これはどんな業界でも言えるのでしょうけど)
使用する鍼の太さは、髪の毛よりも細いぐらい だとか、
鍼は当然、ディスポ(使い捨て) だとか、
こんなん ↓
シャーレなどの器具は高圧滅菌する とか、
これが滅菌器 ↓
切皮痛があるのは鍼灸師の腕が悪い とか、
「痛い」と「響く」は違う とか、
刺激量は患者さんの体調や体質に応じて とか、
あたりまえすぎて、きちんと伝えることを忘れてしまいます。
だから、私たちがごくあたりまえにしていることが、「そうなん?」と言われたりします。
また、鍼灸の効用についても、世間ではあまり知られていません。
「肩こり・腰痛に効くらしい」
というのが、一般的な認識ではないかと。
ちょっと鍼灸に関心のある人でも、
「不妊とか体質改善にいいの?」ぐらいな感じでしょうか。
消化器とか気管支などの内臓系、
風邪の諸症状とか、膀胱炎とか、胃腸炎とか、下痢・便秘、不眠、うつ症状、などなど、
もちろん、鍼灸院・鍼灸師にも得手不得手があります。
疼痛治療が得意、体質改善が得意、不妊治療専門、美容に特化など、
いろんなやり方・考え方があります。
また、治効を大々的に歌うのは、違法になることもあるので、できないという面もあります。
鍼灸師の技量にも、むらがあります。
じっくり向き合っての治療が多いし、直接肌にふれるという特性もあって、人同士の相性というか、信頼関係が治効に影響する面もあります。
「コワイ」イメージを払拭するには「体験してみて」と言うしかないのですが、
体験があだになる場合もあったりします…笑
だから、
「私の鍼はこわくないし、めちゃ痛いこともない」
とは言えても、
「鍼はこわくないし痛くない」
とは言い切れないです (ーー;)
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